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Monkey Guitar Instruments Lab.

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真空管とトランジスタの違いについて

真空管アンプとトランジスタ方式の自作エフェクター、二つの増幅素子を いろいろと実験してきましたが、今までの経験でこの二つの違いを体感してきました。 その1では、電気的特性その他について、コメントしてみたいと思います。

1.動作方式の違い

基本中の基本ですが、もちろん動作方式が違います。 真空管は、管内を真空に保ち、電子をカソードからプレートに飛ばし電流を流します。 グリッドで電子流を制御しますが、基本的に流さない方向に制御します。 一方のトランジスタは、P型不純物とN型不純物を混ぜたシリコン等の半導体内部を バイアス電圧をかけ電子を引っ張り電流を流します。

この構造の違いを考えるだけでも、音に対する違いを感じ取ることができますね。 真空の中(何も障害がない世界)を飛び回る電子、一方で不純物の固体の中(障害ばかり)を 無理矢理外から引っ張られ流れる電子、透き通った音がするのはどちらかと聞かれれば、 それは一目瞭然のような気がします。

ただし、真空にしなければならないという真空管最大の構造上デメリットは、 トランジスタに市場を急速に奪われた重要なファクターの一つではないでしょうか?

2.入出力抵抗の違い

これはもっぱら3極管とトランジスタの比較になりますが、トランジスタをかじった 事のある人にとっては、出力抵抗が低いというのはとてもメリットのあることです。

出力側の抵抗成分が高いと、次段の抵抗成分・入力インピーダンスの影響が大きく、 駆動する負荷の状態によって増幅段の特性が変わってしまいます。このため、 トランジスタ構成のアンプ等では、出力抵抗を下げるためにエミッタフォロワ回路を 多用したりします。しかし、3極管では、低プレート抵抗の物を選定すれば、 このような構成が必要なくなります。また、出力側の抵抗成分が大きいと、 寄生容量の影響も大きくなってきます。

もう一つ重要な違いは、入力抵抗・入力インピーダンスです。トランジスタ素子では、 JFET等は入力インピーダンスが高いですが、NPN・PNPといったバイポーラ素子は ベース電流が流れてしまい、前段に負荷をかけてしまいます。そのため、 1MΩといった高い抵抗でのアンプ攻勢には向いておらず、全体の抵抗成分を下げる 必要があります。

僕自身真空管アンプの勉強当初、真空管アンプ内に使用されている抵抗値が 数百kΩオーダーで大変インピーダンスの高い回路を構成するものだと感じていましたが、 これは、真空管自体の出力インピーダンスが回路全体のインピーダンスを下げ、 また、高い入力インピーダンスがこれを実現させているのではないでしょうか?

つまり、真空管はそれ一本で、トランジスタ何個分かの仕事をしていたのではないか と考えられます。ただし、オペアンプが登場すると、この真空管のメリットを 受け継いでしまい、かつ真空管が単一入力のところをオペアンプは差動入力で 構成できるため一気に置き換えられたと思います。

3.ヒーター

真空管の最大の欠点といっても良いでしょう、真空管は熱電子を使用しますので、 ヒーターが必要です。また、このヒーターは真空管ごとに違いもあり、扱いが 難しいです。かつての電気製品を手がけていたエンジニアの先輩方もこのヒーター という電気的にとても扱いにくい部分に頭を悩まされたと思います。 (逆に考えさせられた分、配線の引き回し等技術の進歩もあったのでしょうが)

これをメリットだと無理矢理感じるとすれば、やはりヒーターの赤熱により 煌々と灯る明かりのムードですか?!

まとめ

いろいろ不満点の多い真空管ですが、どうしてなかなか見た目もお茶目で 僕は嫌いになれません。愛着がわく電子パーツの一つだと思います。

HIFIアンプの世界では、真空管/トランジスタから最近は全てディジタル処理されて D級アンプっていうのもありますが、しゃぶられ尽くしたって感じではないですか? ギターアンプでは、トランジスタで真空管の味わい深いあのトーンがいまだに 再現できないところを見ると、真空管アンプは楽器なのだ!!と考えさせられてしまいます。 真空管が消えるようで消えない理由がそこにあると思います。


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