Monkey Guitar Instruments Lab.

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ROCKMAN STEREOECHOの修理(2006/6/11)

最初の状態

ROCKMAN STEREOECHOの修理を委託されまして、最悪壊れてもいい!?と言うことでしたので、 素人ながら修理を受けました。最初の状態は電源が入らない、ということでしたが、 ACアダプターを差し込むジャックが外れてしまい、一度いぢっているようでした。 またお話を伺うと電源が入らないと同時にACアダプターの線がウサギに噛み切られた? とのことで、電源システム全体を見直すことにしました。

ACアダプター用ジャックの取り付け

さて、家に持ち帰り実際にあけてみると、電源ラインの配線が外れていました。 なので、まずACジャックを新しくすると同時に配線を半田付けしなおしました。

ACアダプターをぱっと見ると12Vと書いてあったので、家にあったDC12Vアダプターを 差し込んで音がなるか確認してみました。しかし、音が出ません。これは内部も 壊れている可能性があると思い、内部回路のPCB配線を追っていきました。

内部配線を追っていくと、内部回路が本来のものと比べてマイナーチェンジされている ことが分かってきました。元々あった電源トランスがはずされており、その部分に 無理矢理ヒューズが入っています。ヒューズが切れた形跡はありません。 電圧を安定化させるためのレギュレータが二つ入っていましたが、78・79シリーズの 電源ICで、これにより±8Vを出力します。

また、ギター入力端子の方から信号ラインを追っていくと、最初のオペアンプに 入力されていきますが、そのオペアンプのDCバイアスがGNDとなっていました。 このことから、このエフェクターは±の電源で、±の信号入力により 動作していることが分かりました。

±の電源を入れて実験!!

±の電源が家にはなかったので、ACアダプターとしてDC12Vを入れ、それに加えて、 電池スナップを使って電池で-9Vを入れました。結果、動作完了!!

しかし、±12Vを入れられるACアダプターってあるのでしょうか?そこで、よく見ると 今回のACアダプターは、AC12Vを出力するアダプターであることが分かりました。

探して見るが見つからず

AC12Vというアダプターをインターネットで探してみるも、なかなか汎用のものが 見つからず、また東京出張の際に秋葉原で探して見ましたが、結局見つかりませんでした。 そこで、DC24Vにて代用することを思いつきました。

本来ならGNDを基準にして±12Vが理想ですが、GNDから浮いた形でDC24Vでも 原理的には一緒となります。あとは、GNDから12Vまたは-12Vですよ!と言う電圧固定が できればいいわけです。これは、一番シンプルに1kΩによる抵抗分割としました。 つまり、DC24Vのプラスから1kΩをGNDに接続し、GNDからDC24Vのマイナス側に1kΩを 接続するわけです。出力負荷の電流値により電源電圧が変化しますが、 ±の電源ラインには100uFのコンデンサが入っていることと、±8Vにて電源がレギュレート されていることを考えると、電源ラインが多少ずれたところで問題にならないと 判断しました。

完成と感想

と言うわけで、ACアダプターも無事代用することができ、完成しました。 結果から見ると簡単な作業となりましたが、内部回路が壊れていなかったので、 助かりました。そして、発想の転換でACアダプターもその辺にある汎用の物が使えるようになり、 使いやすくできました。

しかし、この手の半ごわれで放置されているエフェクターも多いのではないでしょうか? そんなのも直していけばいろいろ面白いんじゃないかな?とも感じました。 また機会があれば修理して行こうと思います。


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