Monkey Guitar Instruments Lab.

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Banana Fuzz

bananafuzz

三作目のエフェクターは、激烈Fuzzです。一見普通のFuzzですが、この音質は、 並みのディストーションをしのぎます。この理由は、もちろんゲルマニウムトラン ジスタWE22Dです。一般的なFuzz回路ではあまりひずまないので、入力段でゲインを あげています。

シリコントランジスタ2N3904に変更すると、トランジスタ特性が格段によくなり、 ピーッと発振します。ゲインがあがりすぎるためですが、タンタルコンに直列に 抵抗を挿入すれば解決します。

ちなみに音質を言っておくと、ゲルマトランジスタでは、ブァアーンという歪み、 シリコントランジスタでは、ジャバーンという歪みです。どちらを選ぶかは、好みに 応じて変更してください。

ごくごく簡単な回路ですが、部品とちょっとした回路変更で、使えるエフェクター になりますよ。

回路図はこちら

実験レポート
BananaFuzzの音を解析しました。

自作したFuzzの音を解析しました。僕のお気に入りの音ですが、この音はどんな波形に なっているのでしょうか?

録音環境は、下記のエレキギターの音の解析と一緒です。音についても、同一と しましたが、ピックアップセレクトは、リアだったりフロントだったりしますので、 参考にされる場合は注意してください。下図は、エレキギターの解析時と同様に、 周波数成分を抜き取りエクセルで分布を見たものです。

guitar_sound_2

ギターは、テレキャスとフライングVを使用しました。縦軸の絶対値は、音量により 変化しますので、音の特徴が出るのは、基本波と高調波成分の大きさの比較です。

wave_fuzz_tele

テレキャス+Fuzzのコンビでは、ギャラッとした感じの音になりますが、テレキャスの 高音の高調波成分と、Fuzzの高音の歪みが混ざることで心地よい歪みになっていると 思います。

テレキャスは、シングルコイルピックアップなのにぶっとい音になりますが、 ストラトの高調波と見比べると、3次高調波が大きく、これが低音を強調していると 思います。原音と比較すると、1〜4kHzまでの高調波がFuzzによりゲインされており、 これが音の特徴を作っているのではないでしょうか?


wave_fuzz_flyingv

フライングVとFuzz一発のコンビネーションでは、ハードロックの重低音が再現 できます。ハムバッカーの重低音は、周波数分布から2次、3次高調波成分のゲインの 高さが影響していると思われ、また原音と比較して中音域のゲインがFuzzにより特に あがっています。これにより張りのあるギターサウンドが得られます。

1kHzより上の周波数帯での高調波はテレキャスとほぼ同じ波形をしており、 Fuzzにより形作られるものだと思います。


Fuzzでは、中音域のゲインが特に影響を与えていることがわかりました。逆に 低音側では原音に近い周波数特性となっており、それぞれのギターの音色が反映されます。

ただし、スペアナでは各周波数の位相ずれが見えないので、これは今度の課題とします。 位相ずれによっても音色は変化します。


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